量的・質的金融緩和の第2弾(QQE2)
日銀は2014年10月31日に「量的・質的金融緩和」の第2弾(QQE2)の導入を決定しました。
これは「黒田バズーカ2」とも呼ばれています。
内容は以下の通りです。
(1)マネタリーベース増加額の拡大
マネタリーベースが、年間約80兆円(変更前の60~70兆円対比で約10~20兆円追加)に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。
(2)資産買入れ額の拡大および長期国債買入れの平均残存年限の長期化
1.長期国債について、保有残高が年間約80兆円(変更前の50兆円対比で約30兆円追加)に相当するペースで増加するよう買入れを行う。ただし、イールドカーブ全体の金利低下を促す観点から、金融市場の状況に応じて柔軟に運営する。買入れの平均残存期間を7年~10年程度に延長する(最大3年程度延長)。
2. ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約3兆円、年間約900億円(どちらも変更前対比で3倍増)に相当するペースで増加するよう買入れを行う。新たにJPX日経400に連動するETFを買入れの対象に加える 。
QQE2が導入された背景
QQE2が導入されたのは、2%物価目標を達成するためですが、黒田総裁は2014年11月の講演で、そのQQE2が導入された要因として、以下を挙げています。
- 消費税率引き上げの影響
- 最近の世界経済に関する慎重な見方と原油をはじめとする国際商品市況の大幅な下落
つまり、「消費増税による景気下押し」や、「原油価格の下落によるインフレ率の低下」で2%物価目標の達成が危うくなる可能性があるので、追加緩和を行って、景気やインフレ率を押し上げる、ということです。
〇2%物価目標の達成が目前に迫るも、海外要因等でインフレ率は失速
出所 日銀
まとめ
日銀は2014年10月31日に「量的・質的金融緩和」の第2弾(QQE2)の導入、いわゆる「黒田バズーカ2」を決定しました。
それは2%物価目標の達成は目前に迫っているにも関わらず、海外経済の減速や原油高で、インフレ率が低下してしまったことが背景にあります。
つまり、最後の一押しとして、金融緩和を行い、2%物価目標を達成することを日銀は狙ったのです。
黒田総裁は日銀総裁に就任した2013年3月21日、 「2%の物価目標を2年程度で達成するため何でもやる」と述べました。総裁に就任し2年間が経過しようとしていることも、黒田総裁を大規模化に駆り立てたのかもしれません。
ちなみに日銀は2016年1月、マイナス金利の導入を決定することになりますが、マイナス金利導入の背景も、海外経済の減速と原油価格の下落という、QQE2導入と同じ理由です。
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